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デザートのマナーと知識8

    

デザートのマナーと知識G
◆ケーキ・モンブラン

先日、長野県の駒ヶ根市が主催となった、中央アルプスを走るマラソン大会に参加してきました。山を走るのですからそれはキツイに決まっています。秋から冬はマラソンのシーズンに入ります。キツイからこそ、それを越えた後の清々しさは特別なものになります。高低差250メートルのアルプスの山道を走っていて不思議な感覚を思い出していました。

 雅楽を奏でる東儀秀樹さんの音色、陶器オカリナ奏者の宗次郎さんの奏でる透き通り心に響く音色、二人の共通な、不思議な魅了ある宇宙的な音楽、遥か以前に母体の中で聞いた心臓の音のような、そんな音をアルプスを走りながら感じることができ、なにより自然との調和を頂いた気がしました。山道には山栗が沢山落ち、その栗をよけながら走るのは、山のマラソンならではの季節を感じる大会となりました。

 さて、フランスとイタリアの国境に位置するヨーロッパアルプスの中でモンブランと言う山があるのは皆さんご存知でしょう。フランス語で(モン)「MONT」は、山 (ブラン)「BLANC」は、白を意味しています。「白い山」と表現されています。イタリア語でモンテ・ビアンコ「MONTE BIANCO」同様に白い山と表現されています。語源は、ケーキのモンブランに繋がっています。一度、まじまじとモンブランケーキをご覧になってみて下さい。

山の土台にスポンジ生地やメレンゲタルト生地。生クリームをホイップし、それをらせん状に細い麺状にし、栗のクリームで山肌の凹凸をだしています。山頂付近には雪を観る、生クリームや、パウダーシュガー・山の頂には甘露煮の栗が乗せられアルプスの山の中の山、モンブランが表現されています。まさに、食べて良し、観て良しのケーキです。このケーキの誕生説は、「フランスのパリが発祥だ、いやいや日本人のパテシエが現地を旅行中、あまりにも美しいモンブランの山を帰国してからケーキで表現した」など説もいろいろです。フランスでも日本でもその美しさを同様に感じ取り、ケーキに見立てた感受性が、後々世界的なスタンダードケーキになろうとは、当時の作者は努々思わなかったことでしょう。

 小ぶりな、デザートナイフ、デザートフォークが用意されますのでカットしてお召し上がり下さい。季節は秋です。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋です。例えて言うなら、中央アルプスのマラソン大会に参加し、午後にはモンブランケーキをいただき、浅田次郎の「メトロに乗って」を読みながら秋を丸ごといただく。そんな時間が私の夢です。

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