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デザートのマナーと知識12

    

デザートのマナーと知識K
マカロン

セルジュ・ジラール・・・「私は走ることが好きだから」

そんな理由でフランス人の彼は、北米、南米、オーストラリア、アフリカの各大陸を走りきり、今年、9月にユーラシア大陸(パリから東京)までを走破した前人未到のマラソンランナーです。5大陸を初めて走破した鉄人です。ユーラシア大陸の出発地、パリを走りはじめた時の体重は64キロ、東京に到着した260日と17時間52分の間に体重は54キロに減っていたそうです。10キロ減った体重差より、達成感・幸福感、満足感はその数十倍、数百倍だったのではないでしょうか。東京に到着したときの彼の顔をネットで拝見させて頂きました。鳥肌が立つくらいの笑顔は、またもフランスから感動をもらった・・・そんな気にさせてくれるには十二分でした。笑顔の裏の苦悩が解ると人を虜にするものです。

随分と前の事です。フランスに行く機会を得ました。パリから目的地に向かうため、エスト駅(東駅)のホームにいたところ、アメリカ人の女性と思わしき旅行客が地図を広げ、こんな話しをしているのを小耳に挟みました。「ナンシーって名前の町、何て素敵な名前の町なんでしょう、行ってみたいね」

そんな事を話していたと思います。その会話を聞きながら、私自身も地図を広げていたため、ナンシー(NANCY)・・・綺麗な町の名前だな、などと思い、今でも憶えています。

フランス東部、ドイツとの国境に近い、ロレーヌ地方の中心都市です。この地方で有名な料理があります。今や日本の町のファーストフード店でも商品として出している、キッシュ・ロレーヌが余りにも有名です。そんな地方のナンシー(NANCY)と言う町から、デザートやスイーツとして有名になったマカロンという名のお菓子が今に伝わっています。ご存知の方は、ご存知。当たり前ですが日本でもじわじわ人気が出ているスイーツです。おそらく、ここ数年で当たり前のようなデザート、スイーツになると思われます。元祖はイタリアからフランスに持ち込まれた物だそうです。以前のコラムでもお話ししたことがあるのですが、フランス料理の基盤は、イタリアから伝わり発展させた郷土料理です。マカロンも例外ではなく、アレンジされ、ナンシー(NANCY)のシスター達が伝え、ポピュラーになったフランス菓子です。

マカロン・・・メレンゲ菓子、ふんわりとした焼き菓子で、卵白と砂糖を泡立てたメレンゲにアーモンド、胡桃、を入れ一口サイズにした口当たりの良い焼き菓子です。ライム、カシス、ココナッツ、等など、バラエティーにとんでいて、中にバタークリームなどを入れた、色とりどりで、パレットのような、お洒落な感覚も魅力の逸品です。

映画「フォレスト・ガンプ一期一会」の中で、主人公が何年もひたすら走るシーンがありました。「走りたいから、ただ走った」フォレストはそう言います。そのうちに彼は記録を残していきます。そして、彼の行動がしだいに、神格化され、時代のヒーローとなって行きます。セルジュ・ジラールの大陸横断マラソンがフォレスト・ガンプのワンシーンにダブって観えて余計に感じ入ったのかも知れません。フォレストが最後のシーンでこんなことを話しています。「人生は食べてみないと分からないチョコレートの箱のようなもの」スイーツを例えに人生を語って、バス停の長椅子に座っていた彼れの姿が印象に残っています。デザートやスイーツは、人生に例えられる程の素晴らしいものと確信しています。

マカロンを食べてフランスのナンシー(NANCY)と言う町を想像して見て下さい、美味しさと一緒に幸せをきっと感じるはずです。

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