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デザートのマナーと知識19

    

デザートのマナーと知識R ティラミス
◆1980年代後半から1990年初頭に架けた好景気をバブル経済と呼んだのは、記憶に新しいと思います。好景気の波とともに、本場イタリアから草分け的なレストランが上陸しました。1981年の事です。

 「リストランテ・サバティーニ」という名のイタリア・ローマに本店を置く老舗レストランです。日本の西洋料理界において、革命的な事でした。確かな下地からは信頼が生まれ、イタリアン=(イコール)スパゲティーのイメージを覆しました。イタリアン料理の革命だったと、今でも感じています。時は流れても、拍車は止まる事無くさらに加速度を増して行きます。“イタ飯”はいつしか流行語になる程に、より身近になって行きます。フランス料理よりカジュアルで、価格もリーズナブルな事からイタリアン・レストランが、日本に広く馴染んで行きました。

 食事のタイプ別に、呼び方も変わり、食事心をそそります。

リストランテ「イタリアで最高級に格付けされた本格的な格式あるレストランです」

トラットリア「リストランテよりリーズナブルな価格のレストランです」

ピッツェリア「ピザ中心のカジュアル料理店です」

オステリア「居酒屋的な庶民的な料理店です」

バール「朝食にカプチーノ〜軽い夕食にカフェ。ワイン・スプマンテ(発泡酒)グラッツパ(蒸留したブランデー)まで、朝〜夜までの止まり木的な街のカフェです」

 「ゴットファザー」「グッド・フェローズ」「ブロンクス物語」「カジノ」などのマフィア映画を見ていると、必ずと言っていいほど食事シーンが出てきます。それが、リストランテであったり、オステリアであったり、バールでエスプレッソを飲み、パニーノ(イタリア式サンドイッチ)にカブリ付くシーンであったりします。生と死と同様に、飲食を映画に挟むのは日本映画には中々出てこないストリー展開で、食事に対する考え方が今本的に違うと感じます。

 時を同じくして、デザートが爆発的な流行になって行きました。イタリアのデザートは「ドルチェ」と表現します。そのドルチェの中の一品が日本中の注目を集める事になりました。

 ティラミスです。(Tira mi su)・・・マスカルポーネチーズをベースにリキュール、エスプレッソも入り、ココアで飾る、皆さんご存知の大人の味のケーキです。北イタリアからの発祥で、語訳すると「私を元気付けて」「私を天まで連れていって」などの意味だそうです。記載はできませんが、もう少し大人の解釈で想像した方が正解かと思います。

 このデザートには、デザートナイフ、フォークではなく、ティースプーンの様な小ぶりのスプーンが出てきますので、難しくなく召し上がれます。このデザートの流行が一過性のものでなく、日本人の口に合った事からイタリア料理の魅力は、さらに裾野を広げて行きました。

 ドルチェからイタリアンを知った。そんな方も少なくないと思います。脇役と、主役が同時に光ったイタリア料理のその中で、流行を生み出した代表的なデザートがこの「ティラミス」です。

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