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肉料理のマナーと知識6

    

 肉料理のマナーと知識E

タルタルステーキ

12世紀末に蒼き狼と呼ばれた男。(チンギスハーン)は、中央アジアからロシアにかけての大陸を西は、ヨーロッパの一部、東は、朝鮮半島に架かるまでを統一したモンゴルの支配者です。遥かなる青い空と壮大な大地、馬にまたがり風を切り裂いて走る勇敢な姿が時を越えて想像できます。相撲の文化に見る野性的でいて、技巧を兼ね備えているモンゴル出身の力士を見ればイマジネーションの逝き付く先と理解できます。蒙古民族の一部、タタール部族は、遊牧民としての食事を確立し、東西の国に食の粒子を撒きました。それは、生の牛肉を刻み薬味と一緒に食す一皿としてです。ヨーロッパでは、ドイツで発展して行き世界に広まったタタール族の名から来た(タルタルステーキ)。朝鮮半島においては、皆さんご存知の刻んだ生の牛肉(ユッケ)がそのルーツとされています。発祥はモンゴルのタタール族。発展、発達は西と東に分かれ微妙に違った味となり今に至っています。

経緯はさておき、その「タルタルステーキ」とは、・・・新鮮な牛肉のもも肉を細かく叩き、挽肉状にします。タマネギ、キュウリのピクルス、ニンニクのみじん切り、ケーパー、オリーブオイル、レモン汁、塩、胡椒、などで、味を整えつつ混ぜ合わせていきます。円盤状に形を整え、玉子の黄身を中央に落としていただければ完成です。そのまま召しあがり下さい。こんがり焼いたメルバトーストや、黒パンにのせて召しあがってもとても美味しい料理です。残念な事ですが今の日本での西洋料理店では、メニューとして載せているレストランが極めて少なくなりました。(過去の西洋料理のメニューにおいては定番と言われた時期も有りました)もちろんご使用になるナイフ、フォ―クは大振りなミートナイフ、フォークが提供されますので、通常のお肉料理を召しあがる感覚と同じです。西洋の古典肉料理に間違いは有りませんが、一般に認識される機会の少ない料理とも言えます。又 タルタルステーキは、変化と進化をして行った料理であり、その過程の中で不思議なことは、この料理が同じドイツでもハンブルグに伝わった時、レシピは同じでも、鉄板で焼き上げてしまい・・・これも美味い“となり、ハンブルグの地名からハンバーグーステーキに名前を変え、違う料理として世界的に広まって行きました。その後アメリカにてパンに挟み、ハンバーガーとなって行く不思議な変化は、遥かなる蒙古民族の食の故郷発祥とは、誰が気づく事でしょう!

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