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肉料理のマナーと知識10

    

肉料理のマナーと知識I

◆練馬区・西武池袋線の石神井公園前に居を構えたのは、新婚時代の話です。長女も生まれ、成長を見守る中、振返っても環境の良い場所だったことをおぼえています。石神井ボート池から道一つ隔てれば、東京都内でいて喧騒とは無縁な、森の中へ吸いこまれて行く景観と出会います。三宝寺池です。この二つを合わせて石神井公園と呼ぶのですが、人の手を加えてはいるものの、あくまでも自然を大事にし、景観からは電線の一本も見えない、お手本のような公園です。絵を書く楽しみ、公園の周りをジョキングする姿、四季を写真で捕らえるカメラマン、バードウオッチングに時間を忘れる休日の過ごしかた。様々な人達の心と体の健康を育んでいる公園です。そんな環境ですから、数々の鳥達のためのエイドステーションにもなっています。冬には渡り鳥の鴨が飛来します。マガモ、カルガモ、コガモなど、種類も様々です。情緒良く雪など降ると一枚の日本画の様で、特別な一日になります。

 さて、食の環境ではフランスはパリのレストランでの話です・・・

1582年のパリ。セーヌ川のほとりに、誰もが一度は訪れてみたくなるレストランが誕生しました。間違いなく世界の名門中の名門 “トゥ―ルダルジャン”です。歴代の皇帝、貴族、各国の王室から愛された名代のレストランです。ミュシュランの星の数にほんろうされる事無く、こうまで世界中から愛されるレストランになったのは、19世紀末から始まった、料理に使用する鴨全てに番号を付けたアイデアです。自分が何番目の鴨を食べたのか判るようにした事からだと考えます。もちろん他の料理も世紀を超えて守ってきた歴史がありますが、鴨料理に代表される名声は、右に出るものはいないと感じます。そんな名門の味を楽しめる支店は、世界広しと言えども日本の東京だけです。

鴨料理 1984年に東京・紀尾井町のホテルにトゥールダルジャン東京支店が誕生しました。そのきっかけとなったのは、1921年に当時、皇太子であられた昭和天皇がパリ本店に来店されたこと。シェフ・フレデリック・デレールは5万3千211羽目の鴨でもてなす栄光にあずかりました。このことがご縁となり、東京支店の開店当初の鴨番号は、5万3千212羽目からカウントされました。

 このレストランの宣伝や、歴史を語るわけでは有りません。日本人と鴨料理の相性の良さは、蕎麦屋ののれんをくぐればわかるはずです。鴨と相性の良い麺類や鍋料理は、日本の食文化として長い歴史を感じさせてくれます。しかし、西欧料理と考えレストランに入った時、鴨料理を注文することが、他の牛肉や子羊などの料理と比べると、決して多くは無いと感じています。前菜に良し、サラダに良し、もちろんメイン料理にも。食した鴨料理に番号が無くとも、定番となっているフレンチの真髄を一度トライしてみることは、食の幸せを一つ増やすこに繋がると思います。

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