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肉料理のマナーと知識4

    

 肉料理のマナーと知識C

◆牛肉についてのお話が長くなりますが、いま少しお付き合いください。

 言葉を表現する場合、相手に自分の気持ちが伝わり、又相手の言葉を気持ちとして受け止めた時、始めて会話と感情のキャッチボールが成立します。古くから日本では発した言葉や会話を、言霊(ことだま)などと呼び、言葉には精霊が宿り、大事に扱わねばならないとされてきました。神秘的でいて素適で独特な日本の表現方法です。西洋料理のメニューを見たり、読んだり、聞いたりしていますと、表現する言葉自体に感受性を見出す、言霊(ことだま)のようです。

シャリアピンステーキシャリアピンステーキと言う料理名称について・・・1936年、ロシア出身の高名なオペラ歌手フィヨドール・シャリアピンが来日し、当時の世界中を魅了したのと同様に日本においても絶賛を博したそうです。・・・そしてもう一つ料理の歴史を残していきました。音楽で言う、作詞、作曲、編曲を作り上げる要素を残し、日本を後にしたようです。彼が日本で宿泊をしたのが帝国ホテル。世界を歌と供に旅をしている彼は美食家でもあったことでしょう。そしてなにより、年も取っていました。柔らかく食べやすい牛肉を工夫して食べさせてくれる料理長を旅の途中に、探していたのかもしれません。そしてみつかったのが日本の帝国ホテルです。牛肉をタマネギの絞り汁に漬け肉を柔らかくし焼き上げます。焼きあがった牛肉に色がつくまで炒め、細かくきざんだタマネギをのせ出来あがりです。何て簡単だと思うかも知れません。しかし、シンプルでいて斬新な変化はなかなか凡人には思いつかないものです。このように創意工夫して提供した牛肉料理は、当時の帝国ホテル料理長でした。シャリアピンは、その料理の出来映えに、感嘆と感謝、心意気も感じたのでしょう。大変に気に入ったそうです。その後シャリアピン帰国の後も名を残し、日本から生まれた西洋料理が、世界的になって行きました。シャリアピンステーキと言う料理名称は、欧米にも牛肉料理のステ―タスとして今も名を残しています。

作詞が帝国ホテル、作曲が当時の帝国ホテル料理長、編曲が昭和11年と言う時代、聞き手はもちろんオペラ歌手シャリアピン。日本が生んだ誇り高きステーキ名称“シャリアピンステーキ”・・・どこそこのレストランでもメニューに取り入れている料理ではないので召しあがるのでしたら確認をしてからお出かけになられたほうがよろしいでしょ。参考にして頂ければ幸いです。

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