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デザートのマナーと知識7

    

デザートのマナーと知識F
◆ベイクド・アラスカ

時とともに遠くなる夢の記憶と似ていて、花火や、炎の芸術もまた同じ一瞬の風のようです。桜は1年蓄えたエネルギーを春に開花させ、何分咲いたか日めくりをしているうちに散ってしまう。だからこそ、果敢なく、艶やかなのでしょう。セミは何年も地中で過ごした後に、短いひと夏を、精一杯鳴き続ける。だからこそ、儚さを想像させるのでしょう。

一瞬のときめき、それは、無限の想像力を駆り立たせます。さて、そのもの自体にときめきを感じ、儚さと、同時に、味わいを目で見て、舌で感じさせるそんなデザートが幾つかあります。今回は、そんなデザートの中からもっとも出合うことの難しいデザートをご紹介いたします。もし出会う。そんな機会があったのであれば・・・それは偶然ではなく運命なのかも知れません。(少し大げさ過ぎました)

デザート名を・・ベイクド・アラスカ「BAKED ALASKA」と言います。名前が示すとおりアラスカの氷河をイメージして作者はデザインしたのでしょう。アイスクリームを厚い層のメレンゲで包みます。ブランデーをかけ、お客様の前にてフランベ(火を付けアルコールを飛ばし、パホーマンスとする)し、提供します。想像力が目に新しく、味を楽しませ、一瞬の芸術と記憶を追随させる。まさにそんなデザートです。

メレンゲと中のアイスクリームとブランデーの会いまった味は、大人のデザートです。アイスクリームも何重の層にします。チョコ・ミント・バニラ・ストロベリー等など、お洒落で味わいのあるデザートです。別名・・オムレツト・ノルべジェンヌ(ノルウエー風オムレツ)とも言います。外側は、温かく、中が冷たい珍しいタイプのデザートです。フランベの炎がアラスカのオーロラをイメージさせます。勿論これも私の勝手な解釈に他ありませんが、見たことのない「光のカーテン」「夜の虹」的な神秘的な現象がアラスカのオーロラをイメージして作り上げたデザートに観ることができると解釈しています。

 ・・・昔、昔の話ですが、ホテルの婚礼宴席の最終ステージで、メインダイニングのデザートの一種として、時を大きく振り返ってみると何度となく出会っていす。今では演出効果一杯のデザートがレストランで中々出てきません。取りも直さず、手間暇がかかり、それを提供するプロのサービススタッフが少なくなってしまったのが現状です。寂しい限りですが、チャンスとして出会えたならば、一度、食して見ていただけたらばと感じます。素敵なデザートを脳裏の片隅に記憶として下さい。プロのサービスマンが炎の消えた後、そのデザートをカットしてお出しします。右手にはデザートスプーンが出ておりますのでナイフ、フォークの間違えはございません。こんな素敵なデザートが有ることを覚えて頂けたら幸いです。

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