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デザートのマナーと知識5

    

デザートのマナーと知識D
◆タンバル・エリーゼ

 その昔、地域のあちこちで見かけたものでした。私が体験したそれは、近くの広場、小学校の下校時の正門の前で自転車の荷台に大きな額に挿絵入れを乗せ、絵を見せながら「おじさんが語り部」となり、手作りの挿絵を子供達に筋書きとセリフを聞かせる「紙芝居」でした・・・

 さて、その紙芝居が終了すると、水飴等の駄菓子と、アイスクリームが売られていました。その味は、めまいに近い程子供にとっての至極の味となり、忘れることの出来ない物となりました。

幾つの頃のことでしょう。その美味さに感動したお菓子がありました。上品な味の中にもまろやかな香りと、程よい甘さ、都会的なセンスのケースにも魅了され、今でも大好きなお菓子・デザートがありました。「ヨックモック」です・・・名前の由来は、スウェーデンの北部、北極圏の線上にある森と湖の小さな町「JOKKMOK」から名付けられたそうです。《お菓子は製造するのではなく、創造するものだ》と言い切る情熱が長い歴史に多くのファンがファンを呼んでいるのでしょう。クッキーを葉巻型にした「シガール」は、永遠の定番になっているのはご存知かと思います。

 時は流れ、大人になって感動したデザートに出合います。なかなかお目に掛かることもないデザートではありますが、一度味わうと二度目の味を求め、三度目の感動が後を引く、美味さのあるデザートです。ヨックモックのシガールの様なクッキーを伸ばし、チュウリップ型にし、その中にアイスクリーム、数種類の彩りの良いフルーツを入れ、上から飴細工の器でおおいます。大振りなデザートスプーンが出てきますので、その飴を崩しながらフルーツとアイスクリームを絡めながら、器のクッキーも味わえる三位一体プラスワン。極上の味が出来上がります。フランスから生まれたデザートです。名前を「タンバルエリーゼ」。一般的なレストランで、何処でもお出ししているデザートではありませんが、もし出合う機会がございましたら一度ご注文なさってみてはいかがでしょうか!期待は裏切らないと思います。子供の頃の紙芝居で出合ったアイスクリーム、ヨックモックのクッキーから洋菓子の美味さを知り、併せ持ったフランスのデザート「タンバルエリーゼ」に出合うまでの数十年。

 デザートは子供から大人まで夢を持って口に出来るものと考えます。どんなに時が流れても、どんなに時が歪んでも、あの時の紙芝居屋さんのおじさんに頂いたアイスクリームが私にとって全てのデザートの始まりでした。

馬場俊英の「人生という名の列車」を聞きながら今日も美味しいデザートに舌を打ちます。

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