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パンについて

    

アミューズ、オードブル、パンについての知識とマナー
パン(Pain)について

 パンは食事の何時出てきて何時食べ始めれば良いのか。レストランの個性、考え方にもよりますが、一般的には料理を注文し、食前酒が出てきた後にサービスされます。最初の料理が出てくる前の段階、つまり召し上がる物のファーストサービスにパンが出されるとお考え下さい。

よく日本では、スープが出てから又は、スープが出る前にパンが出されると、お考えになる方が多いようですが、パンは最初に提供される一番バッターの仕事を担う料理と言えます。注文の料理が出てくるまでの間の、つなぎ的役目も果たし、ある意味合いでは、アミューズ(先附け)の要素と同様な料理間の大事な知的時間を取り持つ役割を担っています。

パンをサービスされたら急いで食べだすのもエレガントではありません。料理を注文なさった最初の料理がサービスされてから、それに合わせるように召し上がるとよろしいでしょう。パン皿は、貴方の左側にセッティングされていますので、サービスマンは貴方の左側よりパンバスケットに入った数種類のパンをプレゼンテーションします。その中から貴方は好みなものを選び、左手でパンバスケットの中から取り、パン皿において下さい。右手で取るより綺麗に見えます。モチベーションはあくまでエレガントです。その際一つか二つお取りになって下さい。パンはセカンドサービスが有りますので、食事中に足りないようでしたら注文なさるとよろしいでしょう。

パンにはバターが欠かせませんが、バターはどうしたらよいでしょうか。バターは個人個人にサービスするレストランもありますし、数人分をバタークーラーに入れてサービスするレストランもあります。その際バタークーラーにはバターナイフが付いています。バターナイフを使い自分のパン皿の上にカットしたバターを置いて下さい。バターナイフはバタークーラーからバターを取り、パン皿まで運ぶための道具です。それ以外には使用しません。

バタークーラーが手の届く範囲でないときには近い方に取って頂いてください。どうしてもテーブルを囲むゲストに気づかい、体を動かし離れてセットされているものを取りに行く傾向が日本人にはあります。(真摯な思いやりは同じでも、西洋的気遣い、東洋的気遣いの発想は食事作法において似て非なる処があります)ゆっくりとしたセンスアップな時間の流れの中で腰を上げたり、下げたりするのは叙情的でなくなってしまいます。

パンにバターをぬる時はパン皿に添えてある先の丸いバターをぬるための専用なナイフ「バタースプレッダー」を使用して下さい。アンテナショップで魅せることを得意とするカジュアルなレストランで、お洒落な感覚でバタースプレッダーを付けていない場合には料理用のナイフを使って下さい。又パン皿も同様にファッションで付けないセッティングをしているカジュアルレストランもありますが、その際にはテーブルにじかにおいて下さい(テーブルは皿の一部の本来の考え方をお洒落感覚で提供しているレストランもあります)。パンは一口サイズにパン皿の上で手でちぎって召し上がりください。バターは、ちぎったパンにぬり口に運ぶのがマナーです。パンをちぎらずバターを丸ごとのパンにぬることはタブーですので覚えておいて下さい。これと同様なことがナイフでパンをカットすることです。

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