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オードブルについて

    

アミューズ、オードブル、パンについての知識マナー
オードブル(Hors−doeuvre)について

オードブル(前菜)は、日本語で前の菜と書くように、正式な料理に入る前との意味合いでしたが、今日の西欧料理の位置づけからしても、その役割は重要であり、料理自体に主体性を感じさせなければならないほどの大事な一皿です。

西欧の人達は昔から、食事に喜び、楽しみ、又発見を見出すために、ありとあらゆる手段を駆使し、どのようにしたら食事が楽しく、そして満足な結果が得られるかを試行錯誤してきました。創意工夫の繰り返しを、貪婪な食欲を満たしたいがために追求し、その結果の証が現在のコースメニューに現れていると感じざるを得ません。我々がスポーツを楽しむ際には、まずはケガの無いように柔軟体操、ストレッチから入り、体を解すことからはじめますが、それと同様に眠っている食欲を呼び起こし、旺盛な食欲をさらに充実するために、オードブルがあると考えていただいてよろしいでしょう。

メイン料理の魚料理、肉料理に入る前に充分な唾液、胃液分泌を助長する役目があります。冷たいオードブル、熱いオードブル、生暖かいオードブルと、料理長が季節や、その土地へのこだわりなどを加味含めて豪華で可憐なオードブルとなります。ですから、これに決まったメニューを発見するのは、むずかしほどにレシピ―は数えきれないほど工夫されて、食欲を高めてくれるものならなんでもオードブルに取り入れて創作されます。但し以前にも記載したことがありますが、西欧の人達と、日本人の胃に入る食事の量的な満足感は、決定的な違いがあります。

例えばスパゲッティ―を前菜で食することは、イタリア料理に精通しているか、かなりの大食感でないかぎりポテンシャルとして決められないと思います。もちろんスパゲッティ―にかぎらず、ニョッキ、ラビオリ、ペンネなども日本人の胃袋では充分満足できるものもイタリアでは絶好のオードブルとして捉えられます。私自身がかりに同様なことでオーダーをしたとすれば、次に来るスープや魚料理、ましてや肉料理にはとうていたどり着けないでしょう。

海外に行きレストランに入る時にはこのような事を充分理解してオードブルも注文なさって下さい。又コースメニューで注文せず、一品メニューで注文する際は、オードブルがあるからといって必ず注文することはなく、スープからはじめても、魚料理からはじめてもいっこうにかまいません。その時その時の体調と相談されて注文なさるとよろしいでしょう。むりに注文して料理を残してしまうのは、レストランに対してもかえって失礼になります。

日本のレストラン、コース料理の場合、日本人に合わせ各料理量(ポーション)をおさえて一皿づつを考え提供している所がほとんどだと思われますが、時として、こんなレストランも実際にあります。

「フランスの三ツ星レストランに長年修行し帰国、シェフとして活躍されているのは結構なのですが、全て、かの地が正しくて、そして一流所で修行した自分の料理が全て正しく、否定するのは、お客様の勉強不足と、信じて疑わず、頑固さと、傲慢をはき違いし、フランスそのままの一皿の料理量(ポーション)を出してくるレストラン」もまれにあります。

新鮮な感動とインパクトを最初に頂けるのがオードブルの良さであり、テーブルを囲む円滑剤の役目を果たしてくれる大切な一皿です。

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