ニッカンネット.com
マラソン体験記
蛭間淳一

 

駒ヶ根高原 東京マラソン

 

感動感動!! 「東京マラソン」を走って   2008.2.17
 ずらりと並んだ巨大なトラックに、ゼッケン番号順に荷物を預ける。それぞれのランナーが一様に緊張と、これから始まる新たな感動に期待した笑顔がある。自己申告をしたタイム別スタート地点に到着するも、ランナーの数が多く、体を動かす事が出来ない態勢でスタートまでの 1 時間程を待つ。この日を待ちわびて 2 年目である。昨年度は残念ながら、抽選にもれ、走る事がかなわなかったが、その分もエネルギーとなり、期待感も高くなった。物凄いランナーの数だ、 10 キロを含めると32000人。これほどの人数が参加した大会はホノルルマラソン出場以来となり、興奮の度合いもおのずと上がってくる。

 大会会長の石原慎太郎さん(都知事)の声が拡声器から聞こえてきた。その直後、車椅子ランナーがスタートを切った。 9 時 5 分である。あと5分でスタートと確認出来、遠くから聞こえはしない号砲も、それが合図となり、 9 時 10 分にスタートとなった。

 テレビクルーの数の多さ、ランナーとして走るタレント、アナウンサー、その人達を取り巻く人の多さにもビックリさせられる。巨大な東京都庁の前からのスタートは、企画、演出力が抜群なセンスで、ランナー達を興奮させる。東京という機械的な町を一時封鎖して、人間がど真ん中を走る快感からか足が軽く感じられる。

 5 キロ地点の飯田橋で給水ポイントが始まり、以後 2 キロごとに給水ポイントがある。走る人間の目線に立った心優しい大会だ。皇居を眺めながら走り、東京タワーがいっそう綺麗に見える。帝国ホテルを横目に走り続け、中間地点の銀座 4 丁目まで来た。徐々に乳酸が足に溜まって疲労を感じるが、沿道の大声援から物凄いエネルギーを頂く。頑張らなければと自分に言い聞かせ、 28 キロ地点では浅草寺で人一倍の応援の人達と雷門が絵の様に心に残り、気持ちを前へ前へと向かわせる。歌舞伎座を左に見て、 35 キロ地点を通過すると、ここからタイムを上げられる自分に驚きを感じた。

 最後にキツイ登り坂、春海橋、東雲橋を通過した処で、沿道応援者が持参のカセットデッキからロッキーのテーマ曲を流してくれている。なんともジャストミートな曲で、何よりのエネルギーとなる。足の疲労がピークになり腿が上がらない。最後の力を振り絞ってフィニッシュの東京ビックサイトに向かう。

 ゴールが見えて来た。「やっとたどり着いた」そんな気持ちと祭りの終わりの寂しさが交錯する。ランナーは全員両手を上げ、誰もが一番になる瞬間だ。正面のカメラに最高の笑顔を浮かべゴールを切った。「足が痛い」「疲れた」そんな事は二の次だった。ボランティアの人達や最後まで大声援で応援してくれた沿道の人達、大会関係者、どれを取っても素晴らしく、ただただ感謝したい気持ちだった。

 殺伐としたニュースが流れる毎日なのに、人間まだまだ捨てたもんじゃない、そう感じさせてくれる大会だった。そして、心から「おめでとうございます」とボランティアの方にメダルを掛けて頂き、最後の最後まで感動を頂いた大会だった。素晴らしかった東京マラソン。心を込めて、有難うございました!本当に東京が一つになった。

   トップにもどる  


NIKKANNET に掲載の記事・写真・カット等の転載を禁じます。
すべての著作権は日刊きりゅうに帰属します。

ニッカンネット.com