セカンドバックの行方 | ||
女性のハンドバッグ、ポーチ、最近では男性でもセカンドバックをお持ちになる人がいらっしゃいます。さてそのバックは何処に置けば良いのか。かばん、手荷物、コートなどはクロークに預けるのは前回お話ししたとおりです。しかし、なんでも預けてしまう訳にはいきません。貴重品の入ったセカンドバックは手元に置いておきましょう。私自身の経験論で一言申し上げます。
浅草ビューホテル時代レストラン課の支配人をしていた時の事です。飲料課(飲み物を扱うセクション、つまりメインバーや、スカイラウンジ、ロビーラウンジなどを担当)の支配人がオフィスに血相を変え飛びこんできました。聞けばメインバーのクロークにて貴重品の入ったバックを預かり、そのバックをメインバー、クロークスタッフが間違え、ご本人ではない方に渡してしまう事件がおこりました。 当然自分の預けたバックがなく、違うバックをクロークより出されたのです。そのお客は激怒し、慌てふためき始め支配人を出せと騒ぎ出します。当然のことです。その貴重品が現金や高価な品物なら事の次第や展開は見出せます。担当のマネジャーではすでに手におえない状況となっております。 その品物とは、フロッピー。それも書きこんだコンピュータには記憶を残さず、フロッピーのみ記憶との事です。間違って持って帰ったお客も違うグループのお客です。どうにも直に解決できるケースでは有りません。その客は名前を聞けば何方でも知っている有名商社。それも幹部社員。有ってはいけない間違いが起こってしまった結果です。ホテルでは絶対条件の信用と言う基盤がイージーミスにより発生してしまいました。 その後、間違ったバックを持って帰ってしまったお客から連絡が入り、3日後に事件は解決したのですが、単純に物を預け、預かる作業のクロークもその実、重要なかねめと再確認したしだいです。謝罪、陳謝なる言葉ではすまない、個人から法人へと移行しての損害賠償になりかねない事態からなんとか納めていただき、事無を得ました。考えられないこんなケースもあります。貴重品はくれぐれもお手元に、どんなに優秀な名を極めたホテルやレストランでも間違いはあるのです。
必需品である女性のハンドバック、貴重品の入った男性のセカンドバックはどこに置けば良いのか。4名席に2名で入客し空いている椅子の上に置くのはなんらマナー違反にはなりません。しかし、できれば自分が座っている椅子の下に置くのがエチケットです。 よく自分の席右横、左横に置く方がいっしゃいますが、これはサービスの際スタッフが椅子の右横、左横に足を踏み込んで料理や、飲み物を出しますので時に危険です。またショルダーバックを椅子の背に掛けるのも見苦しく、同様に椅子の下に置くのがスマートです。小さめなハンドバックは背中と椅子の背もたれの間に置かれてもけっこうですが椅子に浅く座ることとなり姿勢が悪くならないよう気をつけましょう。 テーブル上は食事をのせるところです。私物やらハンドバックの類を置く所ではありません。最大のマナー違反ですのですので覚えておきましょう。 |