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西洋料理の軌跡

    

西洋料理の軌跡
◆21世紀の現在、西洋料理の発展は、フランス料理を中心としてイタリア料理が側面を強く固め、しのぎを削って進化しつづけています。もちろんそれには、脈々とした様々な国の料理文化を取り入れてきた過去は明白です。

 およそ15世紀末まで西洋の食の道と文化は、ギリシャ発ローマ行きでそのファションを先んじて発達させていたようです。家具、調度品、美術品、造園、建築、装飾すべからくイタリアは秀でていました。もちろん他の国が劣っていたと言うことではなく、歴史の栄華がそうさせたものなのでしょう。西洋料理の初期、基盤的な物はローマや、フィレンツエにて生まれてきたものです。その頃、隣の国のフランスは羨望の眼差しと少なからず文化の影響は受けていました。

 現代の我々島国においても海を隔てる隣の国や、近隣の国の文化に強い影響を受けたことは確かです。現実として大陸で生を受けていない我々民族は、どのようにして隣国との国の境、ここからこの線までは私達の国、この線から向こうは貴方達の国、そんな因果関係を理解することは難題です。そんな難しい関係をヨーロッパ大陸の各国々は侵略したり、されたりしながら欲望の時代を繰り返して来ました。

 西洋料理の発展はフィレンツエの大富豪の娘、カトリ―ヌという14歳の娘がパンドラの箱を開けたようです。フィレンツエが生んだ名家メディチ家からフランスの王家フランソワ1世の第2皇子アンリ2世のもとにお互いの政略意図する所からカトリ―ヌ・ド・メディシスが嫁ぐことになりました。一般の女性が婚礼に際し家財道具や食事の味付を嫁ぎ先に持ち込むのと同様に彼女は侍従するイタリア人を連れて行きここで初めて当時としての先端的なイタリア料理、食材、技術並びに現在の食器類の基盤や陶器、リキュール、香辛料、などを持ちこむことになりました。

受け入れるフランスは羨望が向こうから来た訳ですから望みが叶えられたということです。元々食文化やそれに携わる形容に熱い物を持ち会わせた国柄です。植民地政策に国力が増し、イタリア文化を吸収しつつフランス文化の発展は西洋料理の文化発展に繋がって行きます。カトリ―ヌの出現はフランス社交界にも影響を与え当時の社交マナーや当時のテーブルマナーも彼女からフランスに持ち込まれたとされています。(現在の確立されたそれとは違います)その後あらゆる文化芸術を具現化したベルサイユ宮殿の飽食が終わり後にフランス革命が起こり宮廷、貴族に使えていた料理人は四散し町に出て一般に美食を提供普及させたレストランを生むキッカケになりました。

パンドラの箱のパンドラとは人の名前、ギリシャ神話の中に出てくる神が創造した初めての人間の女性。その箱を開けると災いが起きる!人間の潜在的な悪い部分を戒める時に使われるパンドラの箱を開けるという表現は、一般に浸透した例え話。カトリ―ヌは、大富豪の家に生まれ後に王妃となり何不自由のない生活から謙虚さを無くし、政治に関与しすぎた稀代の悪女の象徴、不の遺産の様に語りつがれ記載もされた時代のエポックメーキングでした。

しかし、21世紀の西洋料理の中心的役割を果たしているフランス料理も彼女がグローバルな意味での原点でした。西洋料理の軌跡の素は、イタリア料理から発信され発達したものだったのです。パンドラの箱を開けるとあらゆる災いがもたらされる。しかし、災いが全て出た箱には希望だけが残るとも神話の中のもう一つの逸話としてあるのは最高位の神ゼウスの力によるものだったのでしょう。物語として語られたギリシャ神話と実在したカテリーヌが蜃気楼のようにダブッて見える時代背景が軌跡の源です。

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